”自己分析ツール”頼みは、就活失敗の原因?〜面接を見越した自己分析〜

新卒採用の面接官として、他の面接官と結果の共有を行う際、
「今回この学生は見送りですね。全然自己分析が足りていませんでした。」
という言葉をよく耳にしました。

この“自己分析不足”とは、具体的に面接のどの部分で見抜かれてしまうのでしょうか。
その他記事でも紹介している通り、「短所・失敗経験」や「志望動機」など周りの就活生と差別化を図る上でも“自己分析”は非常に重要な要素です。


<URL>
■自己分析で周りに差をつけろ〜短所・失敗経験編〜
■トップ10%のみが実践する”第一志望”を伝えるための自己分析〜


 

今回は、「自己分析ツールに頼りすぎてしまうと、どのような結果になってしまうのか」ついて解説していきたいと思います。
特に近年の学生に多い傾向なので、2020卒の学生さんは注意して下さい。

自己分析ツール頼りすぎによる2つの弊害

  1.  面接時うまく言葉で伝えられない 言語能力の低下
  2.  深掘りに耐えられない 根拠不足

面接時うまく言葉で伝えられない ~言語能力の低下~

特に近年、自己分析のツールは様々増えています。
各種ナビ媒体が提供している「職業診断」や、いくつかの質問に答えるだけで自分の特性がわかる「簡易性格診断」など、自己分析を“より簡単に” “より手軽に”できるようなツールはどんどん開発されています。
もちろん、これらのツールを活用することがNGと言っている訳ではありません。
効率的に便利なツールを活用して、自己分析を進めていくことは非常に重要です。

ここでの問題は、簡易自己分析ツールから出た診断書に目を通して、自己分析をしたつもりになってしまうという点です。
“自己分析”により、自分の特性を理解することは重要ですが、就職活動においては、自分のことを相手に伝えられて初めて意味を持ちます。
実際に自分の手を動かして「自分の経験を棚卸したり、価値観をグラフ化したりすること」により深く自分の理解が進み、記憶も定着します。

皆さんもテスト勉強などで経験もあると思いますが、読んだだけの情報では中々記憶は定着しないですよね。
自分でノートにまとめ直したりすることで、全体の流れも理解し、しっかり整理された状態で頭に入ると思います。
自己分析は“記憶する”作業ではないですが、面接のあらゆる角度からの質問に答えが曖昧だったり、うまく答えられなかったりというケースが散見されるのは、しっかり全体の流れに沿って自分のことを理解してないからなのです。

更に言えば、自分で情報をまとめるだけでなく、しっかり口に出すことおすすめします。
是非スマホの動画で面接を想定して、撮影してみてください。
皆さんが考えている以上に言葉に詰まってしまい、うまく喋れないはずです。

深掘りに耐えられない ~根拠不足~

面接では「あなたの長所や短所」「価値観について」などの設問があります。
ここでの単純な答えは、簡易自己分析ツールから得た情報でも答えられるでしょう。
しかし企業人事は、その答えだけでは納得してくれません
しっかり根拠を示し、その答えに納得感があるかどうかが非常に重要です。

例えば、「なぜその長所だと考えるのですか?」「どのような経験からその長所が身についたと思いますか?」など。
仮にあなたが「自己分析ツール」に頼りすぎた就活を行っていたら、「根拠は性格診断を行った結果、そのような強みがあると言われたからです」というロジックになってしまいます。
さすがに、堂々とそのようなことを答える学生さんはいないとは思いますが、どちらにせよ準備不足により、明確な根拠を示すことができないと思います。
もしくは、何とかその場凌ぎで答えるも、人事を納得させることができずに「自己分析不足だね」という印象を持たれてしまうことでしょう。

最後に

行き当たりばったりの“自己分析”にならないように、先輩の失敗事例はしっかり頭に入れて、面接を見越した“自己分析”をしていきましょう。
便利なツールを活用することも重要ですが、楽することを目的にせず、「自分のことを理解し、相手に伝えられるようになる」という大きな目的を見失わないでください。
効率ばかり追い求めると、結果的に多大な時間がかかり、非効率になってしまいます。
自分だけで考えていると、どうしてもうまくいかないこともあると思います。
そんな時は、就活のプロに相談してみてください。

<URL>
■「ツイング相談窓口」

ABOUTこの記事をかいた人

難波 春吾

大学卒業後、メガバンクへ入社。業界・企業分析に注力。その一方で、同年代のミスマッチの現状を知り、銀行員としての業界知見を活かし、数多くの就職相談にのってきた。現在は、企業の一側面しか見えない就活の現状を変えるべく、企業・学生・大学との架け橋となる存在を目指している。